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労働条件の明示事項の追加

 愛知県知多地域、西三河碧海地域、名古屋市南部地域を営業区域としています、中小企業応援社労士(経営労務プロデューサー、特定社会保険労務士)の岡戸久敏と申します。(名古屋・西三河・知多の特定社会保険労務士 – おかど社会保険労務士事務所 (sr-hokado.jp)

 労働基準法施行規則第5条が改正され、令和6年4月1日から改正され、労働契約の締結・更新のタイミングでの労働条件の明示事項が追加されます。

 その内容は、以下のとおりです。

1 すべての労働者(正規、有期を問わず)に対する明示事項の追加

 ○ 就業場所及び業務に関する変更の範囲の明示

   すべての労働契約の締結と有期労働契約の更新のタイミングごとに、「雇い入れ直後」の就業場所及び業務の内容に加えて、これらの「変更の範囲」についても、明示が必要になります。

   例1:就業場所について

      雇い入れ直後は、名古屋本社で勤務ということを明示するのに加えて、全国の支社及びアメリカ及び中国への海外赴任があることを明示する。

   例2:業務の内容について

      雇い入れ直後は、営業をしてもらうということを明示するのに加えて、人事、経理、経営企画の業務をしてもらうことがあることを明示する。

2 有期契約労働者に対する明示事項の追加

 ① 更新上限の明示

   有期労働契約の締結と契約更新のタイミングごとに、更新上限(有期労働契約の通算契約期間又は更新回数の上限)の有無と、その内容の明示が必要になります。

   例3:有期労働契約の通算契約期間について

      更新の上限はあり、契約期間の通算は3年、と明示する。

   例4:更新回数の上限について

      更新の上限はあり、更新回数は5回、と明示する。

 ② 無期転換申込機会の明示

   「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨(無期転換申込機会)の明示が必要になります。

   例5:無期転換申込権について

      あなたは、有期契約から無期契約に転換することができる権利が発生していますので、その申し込みができます。

 ③ 無期転換後の労働条件の明示

   「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の労働条件の明示が必要になります。

   例6:無期転換後の労働条件の明示について

      現在の労働条件と変わりません。(具体的に記載する。)

 この改正内容は、就業場所及び業務の変更の範囲や、無期雇用の更新の見直しが伴う可能性があります。このような場合、就業規則の改定や人事制度の再構築が伴う可能性が高いため、早めに検討を始めた方がよいです。

(参考資料)労働新聞

労働条件明示・新たなルール 施行“前”締結は対象外 契約始期が“後”でも 厚労省

2023.10.26 【労働新聞 ニュース】

運用方法でQ&A作成

 厚生労働省は、来年4月に施行する労働条件明示の新ルールの具体的な運用に関する通達を発出するとともに、Q&Aを作成した。すでに雇用されている労働者に対しては、就業場所の変更範囲の明示など、新ルールに対応した条件明示を改めて行う必要はないことをQ&Aで明らかにしている。また、契約の開始時期が来年4月以降であっても、3月以前に契約を締結した場合は新ルールによる明示を不要とした。就業場所などの変更の範囲については、締結する契約の期間中における変更の範囲のみを示せば良いとした。

 労働条件の明示ルールの変更は、労働基準法施行規則と告示の改正により行われるもの。労働契約の締結時や、有期労働契約の締結・更新時、無期転換ルールに基づく無期転換申込権が発生する有期労働契約の更新時において、明示事項を追加する。

 たとえば、労働契約の締結・更新時には、新たに就業場所・従事すべき業務の変更の範囲を示さなければならなくなる。有期労働契約の場合はさらに、更新上限の有無・内容(通算契約期間または更新回数の上限)などを明示する必要がある。

 無期転換申込権が発生する有期労働契約の更新時には、無期転換を申し込むことができる旨(無期転換申込機会)と、転換後の労働条件を明示することも義務付ける。

 Q&Aと通達では、新たな明示ルールの適用時期や対象者の範囲、追加される明示事項の具体的な取扱いについて解説した。

 新ルールの適用に当たってQ&Aでは、改正労基則・告示の施行日である来年4月1日以降に締結される労働契約が対象になると指摘。そのため、すでに雇用されている労働者に対して、改めて労働条件を明示する必要はないとした。ただし、有期契約労働者の場合、契約更新は新たな労働契約の締結に該当することから、4月1日以降に更新する際は新ルールに基づく明示が必要になる。

 新たな明示事項である就業場所・業務の変更の範囲については、締結した契約の期間中における変更の範囲のみを指すことを明確化した。たとえば、1年契約の有期労働契約を結ぶ際、更新した2年目以降の契約期間中に命じる可能性がある就業場所・業務の明示までは求めない。

 通達においては、臨時的な他部門への応援業務や出張・研修など、一時的に変更される場合の変更先の場所と業務は、明示すべき就業の場所・業務には含まないとした。配置転換や在籍型出向での勤務先は対象になる。

 無期転換申込権が発生する契約の更新時についてQ&Aでは、申込権を行使しないことを表明している有期契約労働者に対しても、転換申込機会の明示は行う必要があるとした。通達によると、申込権が発生する契約更新時での明示事項である無期転換後の労働条件は、労働者からの権利行使による無期労働契約の成立時にも明示するものと位置付けている。

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この記事を書いた人

岡戸久敏のアバター 岡戸久敏 特定社会保険労務士  行政書士

人が辞めない仕組みづくりコンサルタント。
特定社会保険労務士の岡戸久敏です。

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製造業専門の 人が辞めない仕組みづくり コンサルタントの 岡戸でした。
ありがとうございました。

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