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ひどいパワハラが!?

2023/07/31

 愛知県知多地域、西三河碧海地域、名古屋市南部地域を営業区域としています、

特定社会保険労務士の岡戸久敏と申します。(西三河・知多の特定社会保険労務士 – おかど社会保険労務士事務所 (sr-hokado.jp)

 2023年7月29日(土)の日経電子版に、中古車販売大手ビッグモーターが国土交通省の立ち入り検査を受けたとの記事が掲載されました。

ビッグモーター浦和美園店に立ち入り検査に入る国交省の職員(28日、さいたま市)

 立ち入りしたのが国土交通省ですから、道路運送車両法などの違反ということでしょう。それに加えて、私は、記事にある、従業員が「日常的に罵倒された」、「不正な指示に逆らえない雰囲気だった」という文章が気になります。

 元工場長の男性が、「業績を伸ばせなければ降格させられる恐怖感があった」と語るとも書かれています。また、業績が悪いときには、幹部が主宰する社内会議で店名を挙げて「無能」と言われたという。

 「まともな職場ではおよそ使われない言葉で、罵倒されることが日常的」といった従業員の証言も、明らかになったとのことです。

 詳細については、ビックモーターが第三者委員会を設置して調査していくものと思います。ただ、これらが事実であったなら、ひどいパワハラが横行していたことになります。

 パワハラは法律で、①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③雇用する労働者の就業環境が害されるもの、とされています。①~③までのすべての要素を満たす場合にパワハラとされます。今回は、どのように認定されるでしょうか。

 ところで、中小企業の経営者の方とお話をする機会がありますが、ちょっと認識が甘いのではないかと感じることがあります。こういった報道を他人事とすることなく、自らの在り方の確認と、自社の点検に活用されることを望みます。私は、労働者、従業員がやりがいを持って仕事をしてもらうことが、会社の維持・発展につながると信じています。

 今後、このような報道がされないことを強く望みたいです。

 なお、たまたま「労働法セミナー ~パワハラって何? どう対応すればいいの?~」を開催(対面)します。(7月13日のブログに掲載)

 自社のパワハラが(なんとなく)気になる方は、是非ともご参加ください。時間を使っても、決して損はさせません。

日経電子版 2023年7月29日 2:00 の全文

過大ノルマ、不正招く ビッグモーター立ち入り

「日常的に罵倒」「逆らえぬ」 現場圧迫、改革求める声

 中古車販売大手ビッグモーターが28日、国土交通省の立ち入り検査を受けた。従業員への過大なノルマと達成への圧力が不正を招いたとされる。「日常的に罵倒された」「不正な指示に逆らえない雰囲気だった」。同社の特別調査委員会は経営陣に忖度(そんたく)する「いびつな企業風土」を問題視しており、現場からは組織改革を求める声が上がる。

 「業績を伸ばせなければ降格させられる恐怖感があった」。ビッグモーター元工場長の男性は語る。社内では車両1台あたりの修理のもうけを「@(アット)」と隠語で呼びあい、14万円前後がノルマとされた。業績が悪いときには幹部が主宰する社内会議で店名を挙げて「無能」と言われたという。

 車の損傷状況によって変動するはずの修理のもうけに課された過大なノルマ。男性はプレッシャーから「不正をやるしかない」と追い込まれ、バンパーを外す際にわざと車体を傷つけるような行為が常態化した。「ノルマ達成のためには仕方ないという雰囲気があった。結果的に不正に加担して申し訳ない」と顧客らへの謝罪を口にした。

 西日本の店舗で働く男性従業員は「この先どうなるのか不安だ。会社が変わらないといけない」と厳しい口調で話した。勤務先は28日に国交省の立ち入り検査を受けた。問題発覚後、顧客からは契約キャンセルの連絡が相次いでいるという。

 同社の特別調査委が6月末にまとめた報告書は、修理工場への不合理なノルマが一連の不正を招いたと指摘した。「まともな職場ではおよそ使われない言葉で罵倒されることが日常的」といった従業員の証言も明らかになった。

 圧力に耐えかねた工場長らを中心に、手っ取り早く利益を上げるための故意の損壊行為が常態化していったとみられる。ゴルフボール入りの靴下を振り回してたたく、ドライバーやサンドペーパーで車体を傷つけるといった行為が横行。報告書は、ノルマを重視した昇格人事が広がり、工場長同士で不正のやり方について情報交換するようになったと指摘した。

 ノルマに加え、不正の背景とされたのが企業統治の機能不全やコンプライアンスへの意識の薄さ、経営陣に盲従するいびつな企業風土だ。

 2020年以降に延べ47人の工場長が降格処分を受けるなど不可解な人事がまん延し、「経営陣の意向に盲従することを余儀なくさせる企業風土」が醸成された。

 報告書によると、22年11月以降の保険金申請約8000件のうち1275件(計4995万円)で不適切行為が見つかった。修理部門を経験した従業員へのアンケートでは27%が「不正に関与した」と回答し、6割が「上司からの指示」を理由に挙げた。

 同年1月ごろ、ある工場で従業員が幹部に不正を告発したが、会社側は改善に動かなかった。消費者庁は内部通報体制が適切だったのか、ビッグモーターへの聞き取りを始めている。

 辞任した兼重宏行前社長は25日の記者会見で「不合理な目標設定がノルマとなり、(車の修理を担当する)板金・塗装事業の元本部長が重圧をかけていた」と説明する一方、「部門単独で、他の経営陣は知らなかった」と組織的な関与を否定した。後任の和泉伸二社長は26日の国交省のヒアリング後、「業界全体の信頼を失墜させた。風土改革を本気でやっていく」と述べた。

 企業統治に詳しい明治大の出見世信之教授は「自動車保険のシステムが揺らぎかねない極めて悪質な不正が横行していた。トップダウンでなく現場主導で改革を進め、第三者によるチェック体制を整えない限り、組織風土は変わらない」と指摘している。

(浅野ジーノ、蓑輪星使)

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