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【質問】有給休暇は、従業員の希望どおり自由に取らせないといけないのでしょうか?

従業員が少ないので、計画的に人員配置をして仕事を割り振っています。急に有給休暇をとりたいと言ってくる従業員がいます。予定していた仕事ができなくなり、お客様に迷惑をかけてしまったことがあります。会社が困るときは、有給休暇の申請を拒否することはできませんか?

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回答

有給休暇の取得は労働者の権利であって、労働者に時季指定権があります。つまり、労働者は希望する日に理由を問わず、有給休暇を利用できる権利を持っています。一方、使用者にも時季変更権がありますが、時季変更権をいつでも行使できるわけではありません。

 ですから、原則として、従業員の希望どおりに有給休暇をとらせる必要があります。ただし、代わりの人員を確保できないとき、同時期に休暇者が重なっているとき、他の人材を割り当てることが難しいとき、長期間の有給休暇を取得しているときは、使用者は時季変更権を行使できます。

今回の質問では、代わりの人員を確保できないときに該当しそうですので、時季変更権を行使できる可能性があります。急な有給休暇の申請は、業務の円滑な遂行を妨げる恐れがありますので、例えば、仕事の割り振り表を作成するときに休暇の予定を聞いておくこと、就業規則に有給休暇の申請は3日前まで行うように明記すること、などの対策をして、業務に支障が生じないよう工夫をしてください。

それでも、自分自身や家族が急に病気になって、仕事を休まざるを得ないこともあります。こういった場合には、臨機応変に有給休暇をとれるようにすると、働きやすい職場になっていくのではないでしょうか。

なお、今回問題となっている従業員が、職場を困らせる意図があって、あえて急に有給休暇を申請しているのであれば、勤務態度の問題として、有給休暇の問題とは切り離して指導・教育を行っていくべき案件だと考えます。

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この記事を書いた人

岡戸久敏のアバター 岡戸久敏 特定社会保険労務士  行政書士

愛知県知多半島生まれ、名古屋市在住
定着率カイゼン講師、承認ファシリテーター。「承認」研修で明るく快活な職場にして、社員の定着率100%を目指す講師。「承認」で、すべての働く人が活き活きと、幸せそうに仕事をしている。社員が定着して売上が上がり、会社がずっと成長し続ける。そんな社会が実現できるよう、生涯一講師として、日々奮闘中。

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