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「パワハラのグレーゾーン」って何?

2023/06/13

 愛知県知多地域、西三河碧海地域、名古屋市南部地域を営業区域としています、特定社会保険労務士の岡戸久敏と申します。

 パワハラは、会社の労務管理上、最も重要な課題の一つとなっています。

 この課題に対して、厚生労働省は令和2年6月1日、事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に対して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(パワハラ指針)を策定して、会社(事業主)が適切かつ有効な実施を図るために必要な事項について定めました。(①パワハラ防止指針 (mhlw.go.jp)000611025.pdf (mhlw.go.jp)

 パワハラ指針では、労働施策総合推進法第30条の2第1項で定義づけられたパワハラについて、パワハラの内容、事業主等の責務、事業主が雇用管理上講ずべき措置、事業主が行うことが望ましい取組、事業主がカスタマーハラスメントに関して行うことが望ましい取組が、わかりやすく書かれています。

 また、判例で具体的な事例にもあたると、それなりにイメージはわいてきます。

 ところで、パワハラ指針ではパワハラ6類型を定めていますが、そのうち身体的な攻撃の該当例には、殴打があげられており、これは刑法犯罪にも該当しかねず、誰が考えても該当することは明らかです。他の類型の該当例をみますと、これもだめでしょうと思います。

 ただ、個々具体的なシチュエーションでは、これはどうなのと迷ってしまうこともあります。

 そんなことを考えていましたら、令和5年6月上旬、新日本法規出版株式会社からダイレクトメールが送られてきて、「パワハラのグレーゾーン-裁判例・指針にみる境界事例-」(著:山浦美紀氏(弁護士))の紹介がありました。(弁護士 山浦美紀 | 鳩谷・別城・山浦法律事務所 (hatotanibekki-law.com)

 

 最近、私が○○について知りたいと考えていると、それにあった本や雑誌が目に入ってきます。なんて運がいいのだろうと思います。もちろん、即購入して拝読しました。

 この本では、具体的なケースを設定し、そのケースごとにパワハラ指針の内容にあてはめて分析、解説しています。

 例えば、Case10では「部下を奮起させるため、懇親会の参加者全員の前で「何をさせてもダメだな」などと冗談交じりに言った」というケースが取り上げられています。

 これに対して、「専門家の眼」で結論が書かれ、その後で、パワハラ指針により「精神的な攻撃に該当するか」、「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動かどうか」、「労働者の就業環境が害される言動かどうか」をわかりやすく分析しています。更に、異なるシチュエーションではどのように判断されるのかが書かれ、最後に、裁判ではどのように判断がされたのかを解説しています。

 想定されたケースすべてがとても分かりやすく、腹落ちしました。

 私がサラリーマン時代にした行為が、これはパワハラだったということが確認されて、改めて大いに反省をした内容もあります。とても恥ずかしいことです。

 また、こんな行為(Case38など)も、パワハラになりかねないと気づけたことも、有難いことです。

 一方で、私自身がパワハラと思われる行為を受けていたということにも気づきました。

 その時の方々とはお会いすることはないですが、思い起こせば、お互い気付きあえず、信頼しあえなかったことは不幸なことだと思います。

 パワハラが起きてしまうと、皆が不幸になります。働く人すべてが、パワハラ指針の内容を繰り返し勉強して、良い職場環境が少しずつでも出来上がっていくとよいと願っています。

 一朝一夕でできることではありませんが、一歩一歩着実に取り組んでいきましょう。

 ところで、パワハラ防止には、メンタルヘルスの観点が大切だと思っていますが、これについては、別の機会とします。

 最後に、私は、パワハラ案件にはとても関心を持っていますので、何かございましたら、問い合わせをいただければ、お力になれると思います。

 よろしければ、私のホームページ(愛知県知多・碧海・名古屋市南部の社会保険労務士 – おかど社会保険労務士事務所 (sr-hokado.jp) )もご覧いただければと思います。

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